2026年10月28日

水処理装置を安定稼働させるには?保守点検の必要性と具体的な作業内容

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水処理装置を安定稼働させるには?保守点検の必要性と具体的な作業内容

水処理装置は、工場や施設で必要な水質を保ち、安定した生産・運営を支える設備です。しかし、使用を続けるうちに膜やろ材の汚れ、部品の劣化などが進めば水質悪化や処理水量の低下を招き、設備の機能停止などにつながってしまう危険性があります。

こうしたトラブルを防ぐには、装置の状態を定期的に確認しながら、適切な時期に点検・整備を行うことが大切です。

本記事では、水処理装置の概要や種類、保守点検が必要な理由について紹介します。水処理装置の保守点検の種類と具体的な作業内容も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

水処理装置とは?

水処理装置とは?

水処理装置とは、原水に含まれる不純物を取り除き、利用目的や放流条件に適した水質へ調整する装置・設備の総称です。単独の機器だけで処理するとは限らず、前処理から処理水の貯留まで、複数の装置を組み合わせたシステムとして稼働します。

1. 水処理装置には用水処理・純水製造・排水処理などがある

水処理装置は、処理の目的によって主に次の3種類に分けられます。

種類 主な目的
用水処理装置 地下水や工業用水などを、飲料水や製造用水に適した水質へ整える
純水製造装置 RO膜やイオン交換樹脂などを使い、不純物を除去して純度の高い水を作る
排水処理装置 工場や施設から出る排水を、放流や再利用ができる水質まで処理する

実際の水処理では、求める水質に応じて複数の装置を組み合わせます。たとえば、ろ過装置や活性炭ろ過装置で不純物を取り除いた後、軟水器やRO膜装置などでさらに水質を整えます。

また、ポンプやタンク、配管、計器、制御盤なども、水処理を安定して行うための重要な設備です。

使用する装置や構成は、処理する水の状態や処理量、求める水質によって異なります。そのため、装置単体ではなく、水処理の工程全体を見て設計することが重要です。

関連記事:水処理の流れと設備紹介|井水浄化システム・排水浄化システム

水処理装置の水質・水量を維持するために保守点検が必要な理由

水処理装置を安定して運用するには、導入後の保守点検が欠かせません。点検を行うことで水質や処理水量の変化、部品の劣化、設備の異常などを早めに把握しやすくなります。

また、故障や長期停止のリスクを抑えるだけでなく、安全管理や法令遵守、事業継続の面でも重要です。ここでは、水処理装置に保守点検が必要な理由を3つ紹介します。

【水処理装置に保守点検が必要な理由】
  1. 水質悪化と処理水量の低下を早期に発見できる
  2. 故障や長期停止のリスクを低減し、計画的に設備を維持できる
  3. 法令遵守・安全管理・事業継続にもつながる

1. 水質悪化と処理水量の低下を早期に発見できる

膜やろ材の汚れ、薬注量のずれ、ポンプの能力低下などが起こると、水質の悪化や処理水量の低下につながります。外見だけでは異常を判断できないこともあるため、原水や処理水の測定値に加え、流量・圧力・差圧などを継続的に確認することが重要です。

通常時と異なる数値や変化を早めに把握できれば、洗浄や薬注量の調整、消耗品の交換など、設備の状態に応じた対応につなげられます。日常的に測定結果を記録し、前回の数値や通常時のデータと比較することで、設備の状態変化も把握しやすくなります。

【参考】
「排水処理施設の維持管理について」|東京都下水道局

2. 故障や長期停止のリスクを低減し、計画的に設備を維持できる

水処理装置に不具合が発生してから修理を依頼すると、緊急での点検・修理や部品の手配、代替水の確保などが必要になり、設備が長期間停止する可能性があります。

定期点検によって部品の劣化や交換時期を早めに把握しておけば、修理や交換のスケジュールを事前に立てやすくなるでしょう。

また、膜やろ材の詰まりを放置すると、運転圧力が上昇するなど、設備への負担が大きくなることも考えられます。たとえばRO膜では、水質、透過水量や圧力などを確認することで、洗浄や交換が必要なタイミングを判断することが可能です。

ただし、部品の劣化速度や適切な交換時期は、原水の水質や稼働時間、前処理の状況などによって異なります。設備を安定して運用するためにも、定期点検で状態を継続的に確認し、状況に合わせて整備や部品交換を計画することが重要です。

3. 法令遵守・安全管理・事業継続にもつながる

水処理装置の性能が低下すると、求められる水質を維持できなくなり、飲料水としての安全性や衛生面に影響するおそれがあります。そのため、日頃から水質を確認し、適切な水質管理を行うことが重要です。

適用される水質基準や測定項目は、使用する水源や施設の用途、給水方法などによって異なります。

保守点検では、水質だけでなく薬品漏れや配管の腐食、ポンプの異音・振動なども確認します。異常を早めに発見できれば、事故や設備トラブルの防止につなげられるでしょう。

また、水処理装置が停止すると、生産や施設運営に支障が出る場合もあります。万が一に備えて、予備機や代替水源、緊急時の連絡体制などを整えておくことも、安定した事業運営につながります。

【参考】
「水質汚濁防止法の施行について」|環境省

【参考】
「排水処理施設の維持管理について」|東京都下水道局

水処理装置の保守点検の種類と主な作業内容

水処理装置の保守点検の種類と主な作業内容

水処理装置の保守点検では、日常的な確認から定期点検、装置の状態に応じた洗浄・交換・調整まで、さまざまな作業を行います。点検する項目や整備内容は、装置の種類や用途、稼働状況によって異なります。

また、点検結果の記録や設備停止の予定、法令対応などの管理をすることも重要です。ここでは、水処理装置の保守点検の種類と、主な作業内容を紹介します。

【水処理装置の保守点検の種類と主な作業】
  1. 保守点検は「日常点検・定期点検・状態に応じた整備」に分けられる
  2. 運転状態・水質・流量・圧力・薬剤を確認する
  3. 装置別に洗浄・交換・調整を行う
  4. 点検結果を記録して停止作業と法令対応を管理する

1. 保守点検は「日常点検・定期点検・状態に応じた整備」に分けられる

水処理装置の保守点検は、点検の頻度や対応内容によって、主に次のように分けられます。

区分 主な実施者 主な内容
日常点検 現場担当者 水質、流量、圧力、薬剤残量、警報、異音、振動、漏れなどを確認する
定期点検 社内の設備担当者・専門会社 装置内部や計器、電気系統、腐食、摩耗、消耗部品などを確認する
整備 専門会社 膜・ろ材・樹脂の洗浄や交換、ポンプ整備、配管洗浄などを行う
緊急対応 専門会社 水質異常や漏水、警報、装置停止などの原因を調査し、復旧対応を行う

日常点検では、現場担当者が水質や流量などの数値、装置の外観に異常がないかを確認します。定期点検では、社内の設備担当者や専門会社が、装置内部や電気系統まで詳しく確認するのが一般的です。

点検で見つかった異常や変化は記録に残し、設備の状態に応じて洗浄や部品交換、修理などを行います。このように、日常的な確認と定期的な点検を組み合わせることで、設備の状態を継続して管理しやすくなります。

【参考】
「維持管理の基礎」|東京都下水道局

2. 運転状態・水質・流量・圧力・薬剤を確認する

日常点検や定期点検では、処理する水や装置の種類に応じて確認項目を設定します。

主な点検項目は次のとおりです。

▼保守点検の点検項目
  • 水質:原水・処理水の濁度、色度、pH、残留塩素、電気伝導率など
  • 運転状態:流量、運転圧力、差圧、水位、運転時間など
  • 薬剤:残量、使用量、注入量、薬注ポンプの作動状態など
  • 機器:漏水、腐食、異音、振動、発熱、異臭、警報の有無など
  • 計器・センサー:表示値、汚れ、校正状態、消耗品の交換時期など

点検で得た数値は、その時点の値だけで判断するのではなく、通常時の数値や管理範囲、前回の測定結果と比較することが重要です。数値の変化を継続して確認することで、設備の異常や劣化の兆候を把握しやすくなります。

また、水質計のセンサーに汚れが付着すると、装置が正常に稼働していても正確な測定値が得られない場合があります。そのため、装置だけでなく、計器やセンサーの清掃・校正も定期的に行うことが大切です。

【参考】
「河川水質調査要領(案)参考資料 第Ⅷ章」|国土交通省

3. 装置別に洗浄・交換・調整を行う

点検によって性能の低下や部品の劣化が確認された場合は、装置の状態に合わせて洗浄や部品交換、調整などの整備を行います。

主な作業内容は次のとおりです。

装置・部位 主な点検項目 作業例
ろ過装置 流量、差圧、逆洗状態、ろ材量、内部腐食 ろ材の交換・補充、内部清掃、弁・圧力計の交換、塗装
RO・UF膜装置 処理水質、透過水量、圧力損失、膜の汚れ 膜洗浄、性能評価、膜交換
軟水器・イオン
交換装置
処理水硬度、樹脂状態、再生状態 樹脂交換、薬液洗浄、再生剤の補充
ポンプ 流量、圧力、異音、振動、漏れ、発熱 部品交換、調整、オーバーホール
薬注装置 薬剤残量、注入量、ポンプ作動、配管詰まり 薬剤補充、注入量の調整、ポンプ・配管の整備
タンク・配管 汚れ、堆積物、腐食、漏れ、塗装状態 清掃、消毒、配管洗浄、塗装・補修
計器・制御盤 表示値、校正状態、警報、端子、リレー 校正、センサー交換、電気回路の点検

たとえば、ろ過機では、ろ材の状態や内部の汚れ・腐食を確認し、必要に応じて清掃やろ材交換を行います。RO膜についても、汚れや性能低下の程度に応じて洗浄や交換を実施します。

RO膜の洗浄には、現場で行う方法のほか、膜を工場へ搬出して洗浄する方法もあります。設備を停止できる時間や膜の汚れ具合などを踏まえて、適した方法を選ぶことが大切です。

なお、洗浄や部品交換の時期はすべての設備で同じではありません。原水の水質や稼働条件、前処理の状態、メーカーの基準、点検時の測定結果などを確認しながら判断します。

関連記事:ろ過機のメンテナンスは装置の長寿命化に必要!代表的なメンテナンス方法を紹介

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4. 点検結果を記録して停止作業と法令対応を管理する

点検後は日報や点検表、水質検査結果、部品交換履歴、異常・修理履歴などを記録しておきます。通常時の数値や管理範囲を決め、前回の測定結果や前年同期のデータと比較できるようにしておくと、設備の性能変化や部品の交換時期を把握しやすくなるでしょう。

設備を停止して整備を行う場合は、生産部門や施設利用部門と日程を調整し、作業中にどの程度の水量が必要になるかも確認しておくことが重要です。状況に応じて、バイパスや代替水源の確保、貯水量の確認、洗浄廃液の処理方法なども事前に決めておきます。

また、飲用水や製造用水、排水、浴槽水などでは、用途によって適用される法令や検査項目が異なります。

すべての水処理装置に共通する点検頻度が定められているわけではないため、施設の種類や水の用途を確認したうえで、自治体や専門会社に確認するとよいでしょう。

【参考】
「簡易専用水道の定期検査について」|厚生労働省

【参考】
「水質汚濁防止法の施行について」|環境省

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▼ゼオライトの保守点検・メンテナンスサービスの内容
  • 水質・水量・薬剤の確認
  • プラントや制御盤の点検
  • 水質などの測定・分析、報告書の作成
  • 膜やろ材、イオン交換樹脂の洗浄・交換
  • ポンプや配管の点検・調整

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