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ゼオライト株式会社

水処理コラム

「水処理」の技術・知識・現場の情報などを解説します

1. 水処理の流れと設備紹介|井水浄化システム・排水浄化システム

2022.08.29

本コラムでは、水処理の具体的な流れと、高度な水処理を可能にする設備(井水浄化・排水浄化システム)についてご紹介していきます。水処理設備の導入方法についても解説していますので、設備導入でお悩みの方はぜひ参考にご覧ください。

水処理の流れ

水処理とは水に含まれる汚れや不純物などを浄化することです。水に含まれる汚れや不純物には砂、鉄分やゴミなど・無機物・有機物・微生物・微粒子があり、使用目的に応じてこれらの不純物を取り除かなければなりません。

例えば、私達が日常生活で何気なく使っている水道水には厚生労働省によって51項目にも及ぶ厳しい水質基準が設けられており、水道水として供給するには全ての項目において飲料水の基準値をクリアする必要があるのです*。

水処理は大まかに「用水処理」と「排水処理」に大きく分けることができ、処理内容によって装置のシステムも異なります。

それでは、水処理の流れについて把握していきましょう。

*【参考】水質基準項目と基準値(51項目)|厚生労働省

 

用水処理とは

用水の使用用途は「生活用水」と「工業用水(産業用水)」に分けられ、目的に応じて水処理を行わなければなりません。

生活用水と工業用水(産業用水)について、少し詳しく見ていきましょう。

 

生活用水と工業用水(産業用水)について

生活用水とは生活するために使う水のことで、特に飲料水においては生命や健康に悪影響を及ぼすことなく、なおかつ美味しさや口当たりの良さを感じる程度の成分を残した水質が求められます。公共水道を利用することが最も一般的ですが、近年増えているのが井水(地下水)の利用です。

ホテルや商業施設といった水の使用量が多い事業場で、敷地内に井戸を掘削し、そこから得た井水を処理し、処理水と公共水道の二元給水を採用するケースが増えています。災害時等の水源確保に役立つだけでなく、平常時の水道経費削減も期待できます。

また工業用水とは、

『工業用水道事業法(昭和33年、法律第84号)において「工業」とは、製造業、電気供給業、ガス供給業及び熱供給業を指し、これらの工業の用に供する水(水力発電用、飲用を除く)のことを「工業用水」といいます。「工業用水道」は、導管により工業用水を供給する施設をいい、一般の需要に応じ工業用水道により工業用水を供給する事業を「工業用水道事業」といいます。』
引用:工業用水|経済産業省

と定義づけられています。

工業用水は一部の病院や大型ビル、ホテル、商業施設などで使用されるケースもあります。具体的には、冷却・トイレ洗浄・ボイラー・などに使用されるケースが多いのですが、いずれも不純物が多い水を使用すると機器の正常な運転に支障をきたす恐れがあることから、水処理が必要なケースが多くあります。そのための水処理及び設備が必要となります。

ゼオライトの井水浄化システムについては「事業紹介-井水浄化システム」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

排水処理とは

工場排水や厨房排水などを排水基準以下まで処理し水質を維持することで安定した放流が可能となります。水質汚濁防止法では、特定施設を有する事業場から排水される水について、排水基準以下の濃度で排水することを義務づけています。

また、下水道が完備されていない地区や河川放流を許可している地区においては、自治体への下水道料金が発生しないことから、経費削減効果も期待できます。※自前で排水処理を維持管理する経費が別途発生します

また施設から排出される浴場排水・機器排水などは、排水を浄化して中水(トイレ用水・雑用水・散水など)に再利用することで上・下水道経費を削減することができます。

特に近年では、2015年に開催された国際サミットで加盟国首脳の全会一致で採択された「持続可能な開発目標(SDGs/Sustainable Development Goals)」を運営目標に掲げる企業も多く、水の使用量が多い企業や組織においては環境保護や社会的責任(CSR)の観点からも放流水質の維持や排水の再利用に一層尽力されています。

ゼオライトの排水浄化システムについては「事業紹介ー排水浄化システム」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

*【参考】 SDGs(持続可能な開発目標)|国際連合広報センター

水処理設備の紹介

次に、水処理設備について詳しく見ていきましょう。ここでは、上水道施設における設備や装置についてご紹介していきます。

水処理では、不純物の除去(前ろ過)から始まり、原水の水質に応じてさらに細かな粒子を特殊な膜(フィルター)でろ過して処理していきます。

水処理で使用される膜は孔径の粗いものより順に、「MF膜(精密ろ過膜)」「UF膜(限外ろ過膜)」「NF膜(ナノろ過膜)」「RO膜(逆浸透膜)」の4種類に分けられ、水の用途に適した成分の分別が行われます。

これらを踏まえ、弊社ゼオライトで提供している水処理設備をご紹介します。

前ろ過機(急速ろ過装置)

急速ろ過装置とは、鉄・マンガン・有機成分(色・臭気等)を除去する設備です。

イオン交換樹脂(軟水)装置

イオン交換樹脂(軟水)装置とは、原水に含まれている硬度成分や、金属イオン、アンモニア態窒素、等をイオン交換樹脂の働きで取り除く設備です。

膜ろ過装置

 

(左:RO膜、右:UF膜)

膜ろ過装置とは、急速ろ過前装置で浄化した水を、膜ろ過でさらに高度処理する設備です。

水処理設備の導入方法

水処理設備の導入方法は、「買取方式」「リース方式」「オンサイト方式」の3通りが一般的です。

買取方式

買取方式とは、水処理設備そのものを工場や施設が買い取り、資産として所有し所有者が減価償却する方式です。

とはいえ、企業で水処理装置を設置・配管電気工事・維持管理することは難しいため、水処理設備会社とは工事請負契約や保守管理契約を結び、設備の設置から保守、修繕や水質分析などを委託することが一般的です。

リース方式

リース方式とは、水処理設備をリース会社から借り受け、維持管理は水処理設備会社に委託するという方式です。費用を平準化することができるだけでなく、減価償却や保険対応などの事務的対応も不要となり、リース活用をされる事例も多々あります。

オンサイト方式

オンサイト方式とは、水処理設備を発注者自身は設備を持たなくて、受託者もしくは受託者と契約したリース会社が所有する方式です。基本として使用した水量に応じて㎥あたりの単価を支払うため、先行投資や追加投資が不要となります。また、万が一設備が故障した場合も、修繕費を支払う必要がないことから、導入リスクも少なく近年導入機会が増えています。

ゼオライトの導入方法については「導入方式」で詳しくご紹介しています。


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高い技術提案力とお客様第一主義の精神で「水に関するお困りごと」を解決いたします。

【ゼオライトの実績】

  • 逆浸透膜プラント400件以上(専用水道での国内導入数No.1)
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