PFAS(有機フッ素化合物)の半減期とは?体内に残る期間と健康へのリスク
- 水処理
PFAS(有機フッ素化合物)は「永遠の化学物質(フォーエバー・ケミカル)」と呼ばれるほど分解されにくく、体内や環境に長く残りやすい性質を持っています。しかし、一度摂取したら一生体内に残るというわけではありません。PFASには半減期というものがあり、物質ごとに期間は異なりますが、代謝によって少しずつ排出されます。
本記事では、PFASの半減期に注目し、体内でどのくらいの期間残留するのか、ヒトと動物での違い、さらに健康への影響や安全対策について解説します。PFASについて気になる方はぜひ参考にしてください。
目次
身体に取り込まれたPFASは一生残るのか
PFAS(有機フッ素化合物)は、主に炭素とフッ素で構成された化学物質で、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物のことを指します。PFASは体内や自然界で分解されにくく、環境中に長く残ることから「永遠の化学物質(フォーエバー・ケミカル)」と呼ばれています。
では、一度身体に取り込んだPFASは一生体内に残り続けるのでしょうか。結論から言えば、そうではありません。確かにPFASは分解されにくく体内に蓄積しやすい性質を持っていますが、時間の経過とともに少しずつ排泄されていきます。
ただし、排泄される期間はPFASの種類や摂取する量によって異なります。PFASのなかでも特に分解されにくいとされているPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)やPFOA(ペルフルオロオクタン酸)の場合は、長期間にわたり体内に留まる可能性が高いでしょう。
PFASが取り込まれる主な経路
人がPFASを体内に取り込む経路はさまざまです。食品や飲料水からの摂取はもちろん、食品に使われる包装材やカーペット・衣類など生活用品を通じて摂取するケースがあります。
PFASが取り込まれる経路は生活環境や習慣によって違いがあるものの、全体としては食事による摂取が大きな割合を占めていると考えられています。
参考:PFASはどのような経路で体内に取り込まれるのか|環境省
PFASの「半減期」について

「半減期」とは、ある化学物質を体内に取り込んだあと、新たな摂取がない状態で体内濃度が半分に減少するまでにかかる時間のことです。半減期が長ければ長いほど、その物質は分解されにくく、体内や環境に残りやすいことを意味します。
ただし、同じ物質であっても水や大気、土壌といった周囲の環境によって半減期は変化し、一律ではありません。
PFOSとPFOAの半減期
PFASのなかでも、PFOSとPFOAは特に分解されにくい物質として知られています。これらは「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」により、製造や輸入等が原則禁止されており、世界各国で規制が進められています。
欧州食品安全機関(EFSA)がまとめたデータによると、PFOSの半減期は平均で約5.7年、PFOAは平均で約3.2年です。実際の半減期は摂取する量によって変化しますが、一般的にPFOAよりもPFOSのほうが体内に長く残りやすい傾向があります。
PFASの半減期が長い理由の一つとして挙げられるのが、人間の排泄メカニズムです。PFOSやPFOAは胆汁を通じて排泄されやすい物質ですが、胆汁から排泄されると腸で再び吸収されるため便として排出されにくく、結果的に体内に長期間残ることになります。
しかし、PFASは一生体内に留まるわけではありません。摂取量が減少すれば体内濃度も徐々に下がるとされています。
ヒトと動物ではPFASの半減期が異なる
PFASの半減期は、ヒトと動物で大きな差があります。
| 種別 | PFOAの半減期 |
|---|---|
| ヒト | 約3.2年 |
| マウス | 約17~19日 |
| ウサギ | 約5~7時間 |
| ラット | オス:約4~6日 メス:約2~4時間 |
上記の通り、マウスのPFOAの半減期は約17~19日、ウサギのPFOAの半減期は約5~7時間です。さらに、ラットの場合はPFOAの半減期に性差があり、メスでは約2~4時間と非常に短いのに対し、オスでは約4~6日と長くなります。
一方で、ヒトの場合はPFOAの半減期が数年間に及び、動物と比較して格段に長いことが特徴です。また、女性のほうが男性よりも半減期が短いとされており、この違いは月経による排泄が影響していると考えられています。
PFASは人の健康に影響を及ぼすのか

PFASは分解されにくく体内にも残りやすいことから、健康に対する有害性が懸念されています。しかし、実際に人にどのような影響を及ぼすのかについては、まだ十分に解明されていません。
ここでは、国内での現状と将来的に指摘されているリスクについて紹介します。
国内でPFASによる健康被害は報告されていない
現時点では、国内においてPFOSやPFOAなどのPFASの摂取が直接の原因とされる健康被害は確認されていません。環境省が公表している調査結果によると、少なくとも現段階では「直ちに健康被害が生じている」という事例は報告されていない状況です。
将来的なリスクは懸念されている
一方で、PFASのなかでも代表的なPFOSやPFOAについては、動物実験の段階でいくつかの影響が報告されています。たとえば、肝機能への作用や仔動物の体重減少などが指摘されており、人への影響についても完全に無関係とは言い切れません。
人に関しては、コレステロール値の上昇や発がん性のリスク、さらには免疫機能への影響などが示唆されているという報告があります。
ただし、どの程度の量を摂取すると健康に影響を及ぼすのか、その明確な基準はまだ確立されていません。そのため、各国ではさまざまな研究データをもとに基準値や規制の検討が続けられています。
関連記事:PFAS(有機フッ素化合物)は何が問題?健康への影響と企業が取り組むべき対策
安全のためにはできる限りPFASを摂取しないことが大切
体内に残留したPFASを完全に取り除く有効な方法は、現時点では確立されていません。摂取したのであれば、基本的には自然に体外へ排出されるのを待つことになります。将来的なリスクに備えるためには、日常的にPFASをできるだけ摂取しないことが重要です。
しかし、私たちが日常的に利用する水道水や地下水には、PFASが含まれている場合があります。日本では2020年にPFOSとPFOAを水質管理目標設定項目に位置づけ、両者の合算値を50ng/L以下とする暫定目標値を定めました。
ところが、同年に行われた調査では、全国143地点のうち12都府県21地点で目標値を超過していることが確認されており、水を介した摂取への注意が必要です。
参考:令和2年度有機フッ素化合物全国存在状況把握調査の結果について|環境省
水からPFASを除去する方法は?
水に含まれるPFASを除去する方法として、粒状活性炭、イオン交換、RO膜(逆浸透膜)などの処理技術が知られています。最も一般的に利用されているのは粒状活性炭ですが、炭素鎖の長さが異なる「短鎖PFAS」と「長鎖PFAS」をともに高い確率で除去できるのはRO膜です。
水からPFASを除去するためには、対象となるPFASの種類や濃度、さらに処理する水量などの条件を踏まえて判断することが求められます。
参考:水道における有機フッ素化合物について厚労科研等による検討状況|環境省
PFASを含む水の不安を解消する!ゼオライト株式会社の井水浄化システム

PFASのように環境中に長く残りやすい物質が問題視されている現在、安全で安心できる水の確保はますます重要になっています。特に日常的に大量の水を使用する病院やホテル、商業施設などでは、安定した水源の確保と同時に水の安全性が欠かせません。
ゼオライト株式会社の井水浄化システムでは、地表からの汚染が少ないとされる深層地下水を主に利用します。さらに、逆浸透膜(RO膜)の高度な浄化技術により、不純物やPFASなどの化学物質を効率的に除去します。
公共水道だけに依存せず、地下水を有効活用することで、災害時の緊急用水の確保やコスト削減にもつながるでしょう。
BCP対策として活用しながら、日常の運営コストを抑えられる井水浄化システムは、多くの施設から選ばれています。水に対する安心と経済性の両立を考えている方は、ぜひ一度ご相談ください。
ゼオライト株式会社の井水浄化システムについて詳しくはこちら>
ゼオライト株式会社のPFAS処理技術について詳しくはこちら>
水処理プラントに関するご相談はゼオライト株式会社へ
ゼオライト株式会社は、水処理プラント及びメンテナンス事業を軸に、50年以上にわたってお客様の期待を超える「良質な水」と「メンテナンスサービス」を提供し続けてまいりました。
高い技術提案力とお客様第一主義の精神で、井戸や井戸水(井水)にまつわるお困りごとを解決いたします。
【ゼオライトの実績】
- 逆浸透膜プラント500件以上(専用水道での国内導入数No.1)
- 水処理プラント納入実績1,400件以上
小型の業務用装置から大規模プラント、災害対策用ユニット型浄水設備まで、幅広い対応が可能です。お気軽にご相談ください。










