2025年12月26日

RO膜の寿命は?交換しなければならない理由・気をつけるべきポイントも

  • 水処理
RO膜の寿命は?交換しなければならない理由・気をつけるべきポイントも

RO膜は、水処理プラントに使用されている濾過膜の一種です。RO膜は、安全性の高い水を作るために重要な役割を果たすので、寿命に従った適切なメンテナンスを行うことが必要です。

そこで本記事では、RO膜の寿命や交換しなければならない理由について解説します。これに加えてRO膜を交換する際に気をつけることも説明するため、RO膜の交換について情報を得たい方は、ぜひ最後までお読みください。

RO膜とは

まずRO膜がどんなものであるか説明するために、基本情報をまとめました。

ろ過膜の一種であるRO(Reverse Osmosis)膜は、一般的なろ過膜と比べて浄化レベルの高い水が作り出せるといわれています。その理由は、RO膜の孔が非常に微細であり、水分子以外のイオンを除去できるためです。そのためRO膜は、水処理において、より安全性の高い水が作れるとして注目を集めている「RO浄水器」にも使われています。

「海水と真水を半透膜で隔てた際、海水側に圧力をかけることで海水中の水分子だけが膜を通って真水側へ移動する」という逆浸透現象を利用して水をろ過する膜が、RO膜(逆浸透膜)です。

逆浸透膜を使って水を処理する仕組みについては、こちらの記事でより詳しく解説しています。逆浸透膜の構造についても説明しているので、ぜひ参考にご覧ください。

関連記事:逆浸透膜で水を処理する仕組みとは?メリット・デメリットも紹介

用途別で見るRO膜の使用環境と交換目安

RO膜の寿命は、原水の水質や運転条件、洗浄頻度などによって大きく左右されます。

用途によって必要とされる水質レベルや膜の負荷が異なるため、交換サイクルにも幅があります。

以下で、代表的な分野別に、RO膜の交換頻度と運用上の特徴を整理しました。

RO膜の用途 交換頻度 特徴
家庭用浄水器 2~3年 メーカーごとに異なるが、前処理フィルターは半年~1年ごとに交換が必要。
洗浄は難しく、定期交換が基本。
病院・ホテル等 2~5年 水質や使用状況により変動。
大型施設では定期洗浄が効果的。
製造工場 2~5年 工場ごとの条件に応じて個別に設定。
厳しい条件下では交換頻度が高まる。
条件に応じた洗浄・交換プランを立てる。
半導体工場 2~3年 洗浄ではなく定期交換が基本。
劣化が少ないので別用途への再利用も可能。
海水淡水化 5~7年 過酷な環境(高塩分濃度、高圧運転)で使用されるが、適切な管理下では5~7年と最も長い寿命を持つ。ただし、実際の運用では年間10~20%ずつ段階的に交換することで、安定した水質を維持するのが一般的。

RO膜の寿命

RO膜は、水処理プラントで安全な水を作る際に重要なパーツです。しかし、RO膜は半永久的に使用できるものではありません。RO膜の寿命は1~3年といわれているので、交換時期が訪れたら作業が必須となります。

ただし、RO膜の寿命は、原水の水質、水処理プラントの利用環境、メンテナンス状況などによって変動します。そのため「まだ寿命が訪れていないので問題ない」と考えずに、以下のような予兆が見られたら迅速に対応するように意識しましょう。

RO膜を交換するべき予兆の例

  • 水質が低下している
  • 透過水流量が減少している
  • 圧力損失が増加している

RO膜を交換しなければならない理由

RO膜の性能が低下した場合、まずは薬液洗浄(ケミカルクリーニング)によって回復を試みるのが一般的です。 しかし、洗浄でも性能が回復しない場合には、膜そのものの劣化や閉塞が進行している可能性が高く、交換が必要となります。

ここからは、RO膜を交換せずに使い続けた場合に起こり得る問題について解説します。

①閉塞したRO膜は余分なエネルギーを消費する

RO膜が閉塞すると、水を透過させるためにより高い圧力が必要となります。 その結果、ポンプの稼働負荷が増加し、電力消費が上昇。結果的にエネルギーロスや電気代の増加につながります。 さらに、過剰な圧力は膜の破損や設備の故障を引き起こすリスクも高めます。

②水質の低下

同じRO膜を使い続けると、ろ過後の水質が低下します。同じRO膜を使い続けると、ろ過性能が低下し、水質の安全性が損なわれる恐れがあります。腐食やスケール障害の原因にもなり得るため、早めの対応が重要です。

飲用水として使用している場合はもちろんのこと、工業用として使用する場合も、このような状況は避けなければなりません。

③設備の故障につながる

本来であれば交換しなければならないRO膜を放置していると、パーツの故障につながるリスクも高まります。よって、設備を安全に使い続けられるように、早めに交換を実施することが重要です。

寿命のRO膜を交換する際に気をつけること

寿命のRO膜を交換する際に気をつけること

RO膜を交換することは、水処理プラントを使用する上で必要な作業の1つです。この段落では、RO膜を交換する際に気をつけることを2つ取り上げて解説するので、ぜひ参考にご覧ください。

①コスト面を考慮する

水処理プラントのメンテナンスを請け負う業者は数多く存在しますが、企業によってコストには違いが出ます。そのため各社のプランを比較した上で、よりコストパフォーマンスが高い業者に交換をご依頼ください。

②衛生管理が万全な業者を選ぶ

水処理プラントを使用する場合、飲料水はもちろん、病院での治療用水や透析用水など、非常に重要な用途で利用されるケースも少なくありません。そのため、衛生管理が万全な業者に交換を依頼することが大事です。公式サイトでのサービス・設備紹介などを確認し、安心して依頼できる業者を探しましょう。

寿命のRO膜を交換する際に気をつけること

ゼオライト株式会社では、RO膜の高い導入実績と、長年の実績に裏打ちされた確かな技術力をもとに、RO装置のメンテナンスや膜交換をトータルでサポートしています。
安定した運転と衛生的な水質維持のためのパートナーとして、ぜひご相談ください。

ゼオライトのRO膜洗浄サービス

水処理プラントを安全に使用し続けるには、RO膜の交換をはじめとしたメンテナンスが必要です。

私たちゼオライトが提供している「RO膜洗浄サービス」は、専用工場にて高性能なRO膜洗浄装置を使い、薬剤温水洗浄を行うサービスです。

RO膜の頻繁な交換はメンテナンス費用を増大させるだけでなく、廃棄物の増加にもつながります。RO膜の交換を行うと、基本的にそれまで使用していたRO膜は廃棄されてしまいます。それが最終的に、RO膜の廃棄量増大に結びついてしまうところが課題でもありました。しかし、ゼオライトのRO膜洗浄サービスであればRO膜が再利用できるため、地球環境に配慮することが可能。新しいRO膜の購入費を抑えることができ、コスト削減にもつながります。

また、性能試験に合わせた洗浄プランに沿って作業を実施するため、より高い効果を感じられるところもポイントです。洗浄後の性能評価も行うので、洗浄による効果を数値で確認することもできます。

詳しいサービス内容については「RO膜洗浄サービス」で紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。

RO膜の洗浄に関するご相談はゼオライト株式会社へ

ゼオライト株式会社は、水処理プラント及びメンテナンス事業を軸に、50年以上にわたってお客様の期待を超える「良質な水」と「メンテナンスサービス」を提供し続けてまいりました。

高い技術提案力とお客様第一主義の精神で、井戸や井戸水(井水)にまつわるお困りごとを解決いたします。

【ゼオライトの実績】

  • 逆浸透膜プラント500件以上(専用水道での国内導入数No.1)
  • 水処理プラント納入実績1,400件以上

小型の業務用装置から大規模プラント、災害対策用ユニット型浄水設備まで、幅広い対応が可能です。
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