水処理設備設計の基本|調査から運用までの流れとポイント
- 水処理

水処理設備は、私たちの生活や産業活動に欠かせない水を安全かつ効率的に利用するために必要なインフラです。
この水処理設備の設計は、水質や環境条件を徹底的に分析したうえで、さまざまなプロセスを経て進められ、安定した水の供給や排水処理を可能にします。
そこでこの記事では、水処理設備設計の基本をわかりやすく解説し、調査から運用に至るまでの具体的な流れと重要なポイントを詳しくお伝えします。
目次
水処理設備が果たす役割と設計の重要性

水は、生活や産業活動に欠かせない資源であり、その適切な利用と管理が求められています。しかし、水質や用途に応じてそのまま使用できるケースは少なく、多くの場合で高度な処理技術が必要です。こうした課題を解決するのが「水処理設備」です。
水処理設備は、飲料水や工業用水の生成、排水の浄化・再利用など、多岐にわたる役割を担っています。これにより、限りある水資源を有効活用し、環境負荷を軽減することが可能になっています。
特に、水処理設備の設計はその効率や効果を左右する重要なプロセスです。水質や水量、設置場所の条件を的確に把握し、クライアントのニーズを反映した設備を計画することで、安定した稼働と高いコストパフォーマンスを実現できます。
水処理設備の設計プロセス

水処理設備設計は、一般的に以下のステップで進められます。
1. 調査・計画:水質や設置環境の把握
設計の最初のステップは、対象となる水質や設置場所の条件を詳しく調査することです。まず、設置場所の地形やスペース、インフラ状況を確認し、必要な設備条件を洗い出します。
また、水質調査を行って水の成分や汚染レベルを分析し、適切な処理方法を選定します。特に工場排水の場合、有害物質の特定は欠かせません。
さらに、必要な電力や水道・排水インフラの状況、防火基準や建築基準法、水道法などの関連規制も確認し、設計に求められる要件を確定します。
2. 基本設計:全体の構成とシステムの検討
基本設計では、水処理設備全体の構成を計画し、システム全体の流れを検討します。この段階では、設備の大まかな配置や必要な処理プロセスを明確にし、処理フローの全体像を描きます。
たとえば、生活排水や工業排水を効率的に浄化するために、沈殿槽、ろ過装置、膜分離システムといった処理工程を適切に組み合わせます。
また、処理能力や運転効率を最大化するために、流入する水量や稼働条件に基づいて必要な設備のサイズを決定します。さらに、設置スペースやエネルギー消費を最小限に抑える省スペース設計や効率化にも配慮し、実現可能な最適なシステムを構築します。
3. 詳細設計:具体的な機器選定や図面作成
詳細設計では、基本設計で決定した全体構成を基に、水処理設備に必要な具体的な機器の選定や配置の最適化を行います。この段階では、ポンプやフィルター、膜分離装置などの機器を選定し、それぞれの性能や耐久性を考慮しながらシステム全体を設計します。
水処理設備が円滑に稼働するための重要なステップであり、ここでの正確さが設備の性能や長期的な運用効率に大きく影響します。つまり、細かい部分の設計がコスト削減と環境保護の両立に繋がるのです。
4. 施工:設計に基づいた現場での設備設置
施工では、設計図に沿って水処理設備を実際に組み立て、設置します。
まず、設備を支える基礎工事を行い、地盤を安定させた後、ポンプやフィルターなどの主要な機器を設置します。その後、配管や電気系統をつなぎ、全体が機能するように仕上げていきます。設置が進む中で、各段階で検査を行い、設計内容と施工が正しく一致しているかを確認します。
現場では、安全管理と品質管理が重要です。作業員が安全に作業できる環境を整え、設備の精度を保ちながら作業を進めます。また、騒音や廃棄物への配慮も行い、環境負荷を抑えるよう努めます。
施工後には試運転を行い、設備が正しく動作し、水質が基準を満たしているかを確認します。
5. 運用・管理:施工後の稼働監視と保守
運用・管理は、水処理設備を長期間安定して稼働させるために欠かせないプロセスです。施工が完了し、設備が稼働を開始した後も、定期的な監視とメンテナンスを行うことで、性能を維持し、トラブルを防止します。
まず、設備の運用状況を日常的に監視。流量や水質、機器の動作状況などを記録し、異常が発生した場合には迅速に対応します。また、センサーやモニタリングシステムを活用することで、リアルタイムで設備の状態を把握し、効率的な運用が可能となります。
定期点検では、フィルターの交換やポンプの動作確認、配管の清掃などを実施します。これにより、汚れや劣化が原因で発生する性能低下を防ぎます。また、予防保守として、問題が起こる前に部品を交換するなど、設備の寿命を延ばすための措置も重要です。
さらに、設備の運用データを分析し、エネルギー消費の削減や効率向上を目指す取り組みも行われます。これにより、運用コストを抑えつつ、環境負荷を低減することが可能です。
ゼオライト株式会社の水処理施設設計のポイント

水処理設備の設計において、ゼオライト株式会社では以下のポイントを特に重視し、クライアントのニーズを最大限に反映した設計を実現しています。
まず、営業部門がクライアントから詳細な要求事項をヒアリングし、それを設計の基礎資料として明確化することを重要視しています。これにより、クライアントの期待を的確に捉え、設備設計の方向性を明確にします。たとえば、処理能力や使用目的に応じた具体的な要件を反映することで、最適なシステム設計が可能になります。
さらに、設置スペースの有効活用にも力を入れています。特に、都市部や工場内など、設置場所が限られている場合には、省スペース化を実現する設計が求められることも。
そこで、ゼオライト株式会社では、機器のユニット化やレイアウトの工夫を通じて、設置スペースの縮小に対応。このような設計により、クライアントにとって使い勝手の良い設備を提供することを目指しています。
ゼオライト株式会社の水処理施設設計事例
ゼオライト株式会社では、ユニット化やコンテナパッケージ化を採用した水処理設備の設計を行い、特に効果を上げた事例があります。
これらの設計アプローチにより、設置スペースの制約を克服し、高い処理能力を維持しながら、効率的な設備を提供することができました。
たとえば、ユニット化によって設備がモジュールごとに独立し、各工程のメンテナンスや拡張が容易に。コンテナパッケージ化では、コンパクトで移動可能な設備が実現され、限られた空間でも高効率で運用可能となりました。
これにより、現場の運用効率が向上し、設置後のメンテナンス負担の軽減にも成功しています。
水処理プラントに関するご相談はゼオライト株式会社へ
ゼオライト株式会社は、水処理プラント及びメンテナンス事業を軸に、50年以上にわたってお客様の期待を超える「良質な水」と「メンテナンスサービス」を提供し続けてまいりました。
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【ゼオライトの実績】
- 逆浸透膜プラント500件以上(専用水道での国内導入数No.1)
- 水処理プラント納入実績1,400件以上
小型の業務用装置から大規模プラント、災害対策用ユニット型浄水設備まで、幅広い対応が可能です。
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